【第5回】ラスターレイヤーとベクターレイヤーの違いとは?~君も絵描きになれる!イラスト講座~

【第5回】ラスターレイヤーとベクターレイヤーの違いとは?~君も絵描きになれる!イラスト講座~

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君も絵描きになれる!イラスト講座第5回です!
こんにちは。講師のだいなごんでございます。

皆さんは「ラスターレイヤー」と「ベクターレイヤー」の違いをしっかり理解できていますか?
前回の講座ではレイヤーの基礎を解説しましたが、実はレイヤーにも「ラスターレイヤー」「ベクターレイヤー」の2種類があるわけですね。

この2つの違いがわからずにラスターレイヤーだけで絵を描いてしまっている方も少なくないのではないでしょうか。
かく言う私もペンタブを買ってから2ヵ月くらいはベクターレイヤーを見て見ぬフリしつつ、ラスターレイヤー一本で絵を描いていたものです。

しかし今にして思えば、ベクターレイヤーを使っていなかった頃はかなり損をしていました。
確かにラスターレイヤーだけでも絵は描けますが、ベクターレイヤーを使ったほうが効率も仕上がりも段違いになるのですから。

そんなわけで今回は、ラスターレイヤーとベクターレイヤーの違いについて出来るだけ解りやすく伝えていこうと思います。
最初は戸惑うかもしれませんが実際に使い分けてみると非常に便利ですので、しっかりと覚えておいてくださいね!

ラスターレイヤーとは?

ラスターレイヤーは、画像を「点」で記録しているレイヤーです。
…なんて言われてもイマイチわかりにくいと思いますが、要するにメチャクチャ目の細かいモザイク画みたいなもんだと思ってください。

ピクセル(点)の集合体で一枚の画像を表現しているため、非常に細かい色の濃淡まで表現できるのがラスターレイヤーのいいところです。
水彩画のような絵を描いたり、油絵のような絵を描いたり、漫画を描いたり…ラスターレイヤーを使えば大抵の画風は表現できます。

唯一のデメリットはラスターレイヤーで描いたイラストは拡大すると形が崩れやすいということ。
上図のように、画像を拡大するとピクセルの粗が目立ってしまうため、後から修正するのが大変です。

そのため、ラスターレイヤーはどちらかというと「塗り」の段階で使うのに適していると言えます。
色を塗った部分だけなら形が多少崩れたくらいでは気になりませんし、線画を別レイヤーにしているなら塗り直すのもそれほど難しくありません。

ベクターレイヤーとは?

ベクターレイヤーは、画像を「線」で記録しているレイヤーです。
ベクターレイヤー上で描き出した線は一本残らず、線の始点・線の終点・筆圧・形状まで全て記録されています。

線の一本一本が独立したオブジェクトとして記録されているため、他の線と交差している線でも後から再編集が可能です。
太さを変えたり、線の形状を変えたり、重なっている中から線を一本だけ消したり…といった複雑な操作が、ベクターレイヤーなら一瞬で済みます。
同じ操作をラスターレイヤーで行おうとすれば、おそらく倍以上の時間と手間がかかってしまうでしょう。

また、線で記録しているので拡大しても画像が荒くならないというのもベクターレイヤーの利点です。
どれだけ拡大しようとも、その線が最も綺麗に見える状態で画面に表示してくれます。

ただしベクターレイヤーでは使えないツールもたくさんあります。
グラデーション・色混ぜ・塗りつぶしといった機能は一切使えませんので、基本的にベクターレイヤーで色を塗ることはできません。
色のついた線をたくさん重ねて無理やり塗ることは可能ですが、それではラスターレイヤーで塗るより仕上がりが汚くなってしまいます。

つまりベクターレイヤーは「線画用」のレイヤーなのです。
ベクターレイヤーで線画を作成し、ラスターレイヤーで色塗り・仕上げを行う…というのが、基本的な使い分け方です。

ラスターレイヤーの主な使い方

①色を塗るときに使う

ラスターレイヤーでは、クリスタに備わっているツールのほとんどが問題なく使えます。
特にグラデーション・色混ぜ・塗りつぶしなどの機能は、ラスターレイヤーでしか使えません。
色を塗るのに特化した機能の多くがベクターレイヤーでは使用不可となっていますので、色を塗るときにはラスターレイヤーに切り替えておくのがよいでしょう。

②細かい線が多い絵を描く

線画は本来ベクターレイヤーの得意とするところですが、細かい線が多すぎる場合はラスターレイヤーのほうがよいでしょう。
というのもベクターレイヤーに大量の線を書き込みすぎてしまうとデータが重くなり、クリスタの動作が遅くなってしまうこともあるからです。
劇画タッチの絵や効果線の多い漫画など、線が多くなりそうなときは大枠だけベクターレイヤーで描き、仕上げをラスターレイヤーで行うのがオススメです。

③「水彩」などのツールで描きたいとき

「水彩」などのツールは細かい点の濃淡で色を表現しているので、ラスターレイヤーのほうが使用に適しています。
筆ツール等はベクターレイヤーで使うと色が荒くなってしまうので、水彩画などは最初からラスターレイヤーで描いてもOKです。
今回は説明用なのでザッと描きましたが、水彩ツールは時間をかけて色を重ねるほど綺麗になっていくのでなかなか面白いですよ。

ベクターレイヤーの主な使い方

①交差している部分まで消す

ベクターレイヤーの消しゴムはラスターレイヤーよりも高性能です。
キャラクターの髪の毛などを描くときに重宝するのが「交点まで消す」という設定にした消しゴムですね。
この消しゴムを使うと、消したい部分を軽くなぞるだけで線と線が交わっている部分まで正確に消してくれます

②線をまるごと消去できる

ラスターレイヤーだと、一度重なってしまった線は「Ctrl+Z」で消すしか方法がありません。
しかしベクターレイヤーの場合は線の一本一本が別のデータとして保管されているため、任意の線だけを選択して消すことも容易です。
あとから「この線はいらなかったなぁ…」と思ったときや、間違えて線を引いてしまった部分の修正なども楽々です。

③線幅修正がとても楽

ベクターレイヤーで引いた線は、あとからいくらでも太さを修正できます。
全体のバランスを見て「ここはもうちょっと細く描けばよかったなぁ」「ここは太くしたほうがいいかな?」なんて悩むこと、絵描きにとっては日常茶飯事ですよね。
そんなときは「ベクター線幅描き直し」か「線幅修正」のツールを使えば、一瞬にして特定の線を太くしたり細くしたりできますよ!

④線を移動することができる

ベクターレイヤーの真骨頂のひとつが「線を移動することができる」ということです。
何度も言うようにベクターレイヤーで描いた線は独立したオブジェクトになっていますから、まるで付箋を貼り直すような気軽さで線を別の位置に移動できます。
離れた場所にある線を移動するだけならラスターレイヤーでも可能ですが、ベクターレイヤーの場合は「他の線と交差している線」でも動かせるのが魅力ですね。

⑤線の形状を操作できる

ラスターレイヤーの場合は、引いた線の形が気に入らなければ消して描き直すのが基本です。
しかしベクターレイヤーで引いた線は好きなだけ変形させることができるので、ちょっとした修正くらいなら描き直す必要がありません。
線を少しだけ長くしたいときや、線の角度が気に入らない場合などは、この機能で納得いくまで修正していきましょう。

「塗り」はラスター!「線画」はベクター!

  • ラスターレイヤーは色を塗るのに適している
  • ベクターレイヤーは線画を描くのに適している
  • ラスターレイヤーだけでも絵は描ける
  • ただしベクターレイヤーも併用したほうが効率も仕上がりも良い

今回はラスターレイヤーとベクターレイヤーの違いについて解説しました。
ラスターレイヤーは「点」、ベクターレイヤーは「線」という感覚は使っているうちに身につきますので、イマイチわからなかったという方はとにかくベクターレイヤーを使ってみてください。線画に関してはラスターレイヤーで描くよりも全然楽なので、たぶんビックリすると思いますよ。

次回→キャラクターのラフ画を描いてみよう(来月公開予定)

初回 → 初心者にオススメな画材とは?

 

キャラクター出典:僕のヒーローアカデミア/堀越耕平

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