【第1回】高品質って何なのさ?!注意が必要なクライアントの見分け方:悪質クライアント格闘記

【第1回】高品質って何なのさ?!注意が必要なクライアントの見分け方:悪質クライアント格闘記

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皆さんは「悪質なクライアント」と聞いて何を思い浮かべますか?

「無茶振りをしてくる」「やたらと値切ろうとしてくる」「違法行為を強いてくる」

色々なイメージを持っている人は多いと思いますが、フリーランスで仕事をしていると意外と困ったクライアントと出くわすことがあるものです。

私も実際にトラブルに巻き込まれた経験がありますが、こういった情報は余り公開されず、ノウハウの共有が少ない気がしています。

「情報がないなら書いてしまおう!」という訳で、実際に現場で格闘しているフリーライターとして「悪質」なクライアントの情報を発信していこうと思います。

クライアントはこれからフリーになろうという人だけでなく、副業を始めようとする人にも重要な情報になります。話しを詰めすぎても問題になりますので、複数のテーマから連載形式でお話を進めていこうかと。

連載初回は別なトラブルを未然に防ぐために、「コミュニケーション面からみた悪質なクライアントの見分け方」について執筆していきます。

特に品質を巡ってトラブルになることは多いため、トラブルを避けるためにも事前の知識や経験が重要になってきます。

最終的な連載の目標は「フリーランス(あるいは副業)のために必要な自衛能力を身につけること」です。ライティングに関わらず応用できる情報を中心に放出していきたいと思います。

■自己紹介

クラウドソーシング専業のフリーライター。ライティングは稼ぎながら覚えたので独学。単発のタスクを中心に月20万円程度を稼ぐ変わり者。

単発の仕事が多い分、毎月取引するクライアントの数がふくらみがち。

大手クラウドソーシングサイト、ランサーズの認定ランサー兼クラウドワークスのプロクラウドワーカー。

■「品質」を巡ってトラブルになることが多いのがポイントに

 

様々な仕事をしていて「品質」に関するトラブルに巻き込まれた人は多いはずです。

商品だけでなく、接客などの品質が問われる事も多く、中には「クレーマー」と割り切って仕事をしなければならないような理不尽なケースもあります。

ところが、フリーランスとして仕事をしていると、「理不尽=収入の低下」に直結してしまいがちです。相手の話しを聞くだけでも時間がとられるのに、問題解決のための提案を行ったり修正のための時間をとられてしまうと作業に当てる時間が減ってしまうからです。

フリーランスになると困ったときにクレーム処理を任せられる上司も、品質管理関連の部署の人間もいなくなってしまいます。そのため、トラブルを避けること自体が大切になるのですが……

事前の知識がなくトラブルに遭遇してフリーランスになること自体を諦めてしまう人や、副業として収入を得ようとすることを諦めてしまう人も多いのです。

トラブルを避けるために働く媒体をしっかりと選ぶ方法もありますが、中間の業者作業が増えるため報酬が目減りすることも多くなります。

コスト競争が進んでいるだけに、割に合う仕事を探すこと自体が難しくなっているのもポイントです。結果として、「フリーで働くこと自体が割に合わない」「クラウドソーシングは儲からない」と考える人も珍しくなくなっているのです。

ですが、逆に言えば、「品質の前提」をしっかりと固めておけばチャンスがあるということでもあります。競争が激しいということは需要があるということでもあり、受注額アップに繋げられる人がいると言うことでもあるのです。

いかにトラブルを避けて割の良い仕事を掴めるかが大切です。

■品質の前提を共有しようというクライアントは意外と少ない?

現場の人間として感じるのは、品質の前提を共有しようとするクライアントが意外と少ないということです。理由単純で、漠然としたイメージで募集をかけているクライアントが意外に多いからです。

たとえばクラウドソーシングのライティング案件でよく見かけるのが、

「高品質な記事をお願いします」

と言う文言になります。しかし、高品質の定義がしっかりとしていなければ「無限にリテイクを受ける可能性がある」というリスクを背負うことになります。

「そんな馬鹿な!」と思いますか? それが実際にあるのがフリーランスの世界です。

「高品質」が、SEOに優れPV数が伸びる可能性がある記事なのか、SEO重視ではなくSNSなどでバズる可能性がある話題性のある記事なのか、宣伝広告から成約まで流れを重視したものなのかで内容は大きく変わります。

わかりやすくイラストなどの分野で言えば、「かっこいい絵を書いて!」といわれても、「かっこいいって何?」から始めないと相互理解が進まないままですよね?

意外とその前提が抜けている人が多いのですよね……

しかも、その上で単価指定で「○○円でお願いします!」など予算が限られてくると、フリーランス側の負担が増すことになります。

ただ、これは「悪質」というよりも「物を知らない」範囲におさまる可能性があります。業者に頼むよりは安いだろうからとフリーランスに依頼をする人も珍しくないからです。実際にはプロフェッショナルに頼めば下手な業者より高くなることがあるのですが……

「品質の基準となるサイト(ベンチマークサイト)の共有」を求めれば一発で問題が解決することが多いので、後は割に合うかどうかで判断するのがおすすめです。ヒアリングに時間がかかる場合や要望が高度なものであれば請求金額をあげるか断るかという選択が出てきます。

自分のポートフォリオを提出して品質の目安を示すことも大切なため、あわせて覚えておきたいポイントになります。これが出来るだけで交渉の速度や生産性が大きく変わります。

■フリーランスと給与所得者の基本的な考えの違いも考慮して

品質に関する問題が漠然としたままフリーランスに投げられることが多いのは、フリーランスと給与所得者の収入に関する考え方の違いも影響しています。給与所得者の場合は所属する企業などから給料が出るため、依頼を出す時もフリーランスに質問をする時も収入を得ることができるからです。

極端な話しをすると、給与所得者は延々ライターにリテイクを出し続け、一本も記事が仕上がらなくても給与が貰える可能性があります。時給で仕事をしているアルバイトやパート(あるいは派遣などの下請け)が記事募集を担当しているケースもあるため、「クライアント=プロ」ではないのです。

ところがフリーランスの場合は納品が終わらなければ収入を得ることが難しくなります。月単位の契約など、収入が保証されていない場合は完全に成果型の報酬体系になる事が一般的だからです。成果が上がらなければ収入がゼロになるリスクすらあります。

ありがちな話が、『ダメ出しをするだけで建設的な意見をくれない』クライアントです。

クライアント側は給与が保障されますが、受ける側のフリーランスは収入の保証がなく、話が前に進まなければそれだけフリーランス側が不利になりがちになります。

ただ、これでも「まだ」悪質な部類には入らないケースがある点に注意が必要です。知識がないクライアントはコミュニケーションをとった上で報酬の交渉をするか、縁を切ればいいだけの話です。場合によっては上司を出して貰って問題定義を行い、担当者を変えて貰う方法もあります。

ところが、縁が切れないようになってくると悪質と言わざるをえなくなってきます。

■次々と出てくる後出しの要望や基準の変更は悪質の範囲に

ようやく「悪質」なクライアントの話まで行き着いたわけですが、悪質なクライアントの場合は契約を盾に作業を強要してくるのがポイントになります。

たとえば、リテイクを何度要求しても、作業分について支払って契約が切れるのは比較的良いクライアントです。ところが、作業が難しいことを伝えても「契約をしたからには必ず作業を完成させろ!」と要求してくるケースもあるのです。

次々と後出しの要望基準の変更が行われるケースもありますが、ここはキッパリと断る必要があります。「言うだけならタダ」と思っている人もいますが、契約時に含まれていない要望は別契約、追加料金になるのがポイントです。

作業の強要は下請け法違反になる可能性がある他、重要事項を隠して結ばれた契約は契約として成立しない可能性があることは理解しておきましょう。契約の無効を訴える裁判など、調べればいくらでも前例が出てきます。

法的に戦うことも視野に動かなければならない可能性がありますが、割に合うかどうかは話が別です。

まずはそういったクライアントに当たらないように工夫をすること、問題がおきそうな場合は法律などを盾に交渉のテーブルにうまく誘導するなどリスクの分散が必要になってくるのです。

■悪質なクライアントの見分け方と契約を避けるための工夫は

 

悪質なクライアントを避けるための工夫は、ブラック企業を避けるための工夫と良く似ています。

具体的なポイントをあげます。

・契約の前に品質などの前提の擦り合わせを行う

・簡単にでもネット検索をして悪い噂があるクライアントは避ける

・クラウドソーシングの場合は相手のプロフィールをチェックして低評価が付いている人は避ける

コミュニケーションが取り辛い相手は避ける

条件がどんなに良くても、面接で「この担当者(会社)はだめだ!」と思ったら就職は辞退しますよね?

フリーランスでも基本は同じで、一緒に仕事が出来るという確信がなければ依頼を避けるのが基本になります。会話のキャッチボールも重要になるため、交渉時点で自分から積極的に話題をふりながら相手の反応を見るとより判断がしやすくなります。

悪質なクライアントになると「質問に答えてくれないのに要望が追加で送られてくる」など、コミュニケーション自体がとれなくなります。条件が良いように見えても無茶振りが追加される可能性が高いので、要望には添えないことを伝えてお断りしましょう。契約前であれば評価にも影響しないから気にする必要はありません。

クラウドソーシングの場合は評価を買うといった不正も可能なので、良い評価を鵜呑みにするのではなく相手のコミュニケーション能力をチェックする事が大切です。

仕事を選べることがフリーランスの長所になるため、割の良い仕事を探すか良いクライアントに営業をかけた方が建設的になります。

■本当に悪質なクライアントを見極めなければ契約できる仕事は減ってしまう

クライアントを悪質と言うのは簡単ですが、根拠が的外れであれば自分の首を締めてしまう可能性もあります。仕事を依頼する知識は無くてもお金を持っているクライアントは存在し、場合によっては良いビジネスパートナーになってくれることもあるからです。

SNSなどの愚痴をチェックしてリスク管理を行う企業も珍しくなくなっているため、「あのクライアントは悪質だ!」と言う情報発信がアダとなるケースもあります。基本的な守秘義務を守るだけでなく、自分が背負うリスクをコントロールできなければマイナスになってしまう可能性があるのです。

互いのマイナスだけを指摘しても、技術や交渉力の向上には繋がらないのもポイントです。コミュニケーションスキルが求められるのは受注者側も一緒になるため、どのように顧客を満足させるか考える視点も大切です。相互の理解があって初めて満足行く仕事が出来るようになるからです。

コミュニケーションスキルの向上は、実績や評価を積み重ねる上でもプラスになります。

■今回の振り返り

・本連載の最終目標は「フリーランス(あるいは副業)のために必要な自衛力を身につけること」

・受注額アップの為には、いかにトラブルを避けて割の良い仕事を掴めるかが大切

・品質の定義が曖昧な場合は、基準となるサイトの共有を求めるか自身のポートフォリオを提出して目安を示す

・知識がないクライアントもいる事を踏まえ、積極的に価格交渉を行い、条件が合わなければ断るか辞退する

・後出しの要望や基準の変更が行われる場合は断るか追加の報酬を要求する

・良い評価を鵜呑みにするのではなく相手のコミュニケーション能力をチェックすることが重要

・コミュニケーションスキルが求められるのは受注者側も一緒になるため、どのように顧客を満足させるか考える視点も大切

さて、今回は「コミュニケーション」から見た悪質クライアントの情報を書いてきましたが、次回はトラブルの原因になりやすい「報酬」の話に移りたいと思います。

クラウドソーシングならではのリスク回避策などもあわせて執筆予定なので、ご期待ください。

次回→【第2回】報酬には根拠が必要!クライアントに主導権を渡す危険性とは

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専業クラウドワーカーでフリーライター。収入アップよりも書く事にこだわる叩き上げ。 Twitterではクラウドソーシングの相場の情報のほか、連載に関する情報も発信しています。

1 Comment

  1. 記事投稿ありがとうございます!
    私もこの連載を読んで反面教師的に勉強させて頂きます。

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